『8020運動』という言葉を聞いたことはありますか?
「満80歳で自分の歯を20本保とう」という運動です。
歯が20本以上あると、食生活にほぼ不自由なく満足することができ、
生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように
との願いが込められています。

8020の達成率は年々上がってきており、1989年(平成元年)にはわずか7%だったものが、2022年(令和4年)には51.6%を達成しています。
しかし51.6%ということは2人に1人は歯が20本以下ということ。
加齢も歯を失う原因の1つですが、原因はそれだけではありません。
今回は歯を失う原因TOP3のお話をします。
第1位 歯周病
「歯周病」というとどのようなイメージがりますか?「歯茎から血が出る」「歯茎が腫れる」「歯茎が痛い」というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか?
そのため歯茎の病気と思う人が多いですが、進行すると歯を支える周りの骨が溶ける恐ろしい病気です。
歯周病は別名「silent disease」と呼ばれ、初期のころにはほとんど自覚症状がありません。そのため痛みなく進行することが多く、「歯がグラグラする」「噛むと痛い」など、気づいた頃には抜歯をせざるを得なくなってることも…。

【予防法】
歯周病予防は、原因となる細菌を減らすことが重要です。
・正しい歯磨き: 細菌を取り除くために、毎日の正しい歯磨きが重要です。歯垢は数日で石灰化して歯石に変わるため、定期的に歯科医院で歯石を取ってもらうことも大切です。
・フロスの使用: 歯と歯の間の細菌を取り除くためには歯ブラシだけでは不十分です。フロスを使うことも有効です。
・定期的な歯科チェック: 定期的に歯科医院で歯の状態をチェックし、歯周病が進行していないか確認してもらうことが予防につながります。
第2位 虫歯
「虫歯ができても削って治せばいいでしょ」と思ってる人も多いです。虫歯の再治療を繰り返したり、虫歯が進行しすぎて根だけ残り、それ以上治療できなくなり抜歯せざるを得なくなることも…。
そして「虫歯は治らない病気」です。
細菌に感染した部分の歯質を取り除き、何か他の詰め物や被せ物をして、見た目や機能の修復はできたとしても、元の健康な状態に戻るわけではありません。
風邪や切り傷のように完全に元の組織の状態に戻ることはないのです。
削った歯は元に戻りません。

【予防法】
歯磨き、フロスは歯周病予防と同じです。
定期的な歯科医院でのチェックを受けることで、虫歯のリスクが高い部位を教えてもらえ、万が一虫歯ができてしまっても、初期の(小さいうちの)虫歯を発見してもらえれば、削る量も小さく済みます。
その他に
・甘いものの摂取を控える、頻度を減らす
虫歯の原因菌がしょ糖を餌にし、酸を出します。その酸によってエナメル質が溶かされてしまいます。
糖質の量を減らすことよりも、回数や時間を減らして、長時間口腔内が酸にさらされないようにする事が重要です。
・フッ素塗布を行う
日常的にフッ素入りの歯磨き粉を使用するほか、歯科医院での定期的な高濃度のフッ素塗布(3~6か月に1度)してもらうことの有効です。
第3位 破折
歯の破折は外傷や、歯ぎしり・食いしばりが原因となる事が多いです。
歯の頭の部分が小さく欠けただけであれば修復可能ですが、ヒビが歯茎の中の根まで達している場合、残念ですが抜歯となってしまうケースが多いです。
特に神経を取っている歯は栄養供給が途絶え、枯れ木のように折れやすいため、定期的な噛み合わせの確認や
夜間のマウスピースをオススメします。
【予防法】
・夜間のマウスピース装着で歯の保護
・歯科医院での噛み合わせの確認
・悪習癖の除去(爪を噛む癖など)
・歯の神経を残すこと!

いずれも予防したり、悪化を防ぐことができる病気です。
歯を失ってから後悔してしまわないように歯科の定期検診を受診しましょう。
東京マール歯科日本橋院