昔から『食べたらすぐ磨く』と言われてきましたが、
『食後30分は歯を磨かない方がいい』という言葉を聞いたことはありますか?
これは一時期、酸蝕症についてテレビや新聞に取り上げられ、この言葉だけが一人歩きして勘違いをされている方が未だに多くいらっしゃいます。
虫歯の予防として、一般的には食べたらすぐに磨くのが基本です。
ただし酸蝕症の方は例外になることもあるので詳しくお話していきます。

●酸蝕症とは
酸蝕症(さんしょくしょう)は、歯のエナメル質が酸によって溶けてしまう状態を指します。
主に酸性の食品や飲み物、胃酸の逆流などが原因となり、歯の表面が少しずつ侵食されていきます。この状態が進行すると、歯が薄くなり、色が変わったり、ひび割れが生じたりすることがあります。
主な原因としては次のようなものがあります。
- 酸性飲料や食品:炭酸飲料、柑橘類、酢など酸性のものを頻繁に摂取すること。また長時間摂り続けていると、常に歯が酸にさらされることになります。
- 胃酸の逆流(逆流性食道炎):胃酸が食道を逆流して口に戻ることで、酸が歯に触れて酸蝕症を引き起こすことがあります。
- 摂食障害:嘔吐を繰り返すと、胃酸が歯に直接触れ、エナメル質を溶かしてしまいます。
●酸蝕症を予防するためには
・酸性の食品や飲み物を頻繁に摂取しないこと、だらだら食べをしないこと。
・酸で柔らかくなったエナメル質を傷つけないため、食後は水で口をゆすいでから歯磨きをすること。
(場合によっては、ゆすいでから30分後に磨いたほうが良い方もいるので歯科医院でご相談ください)
・酸性のものを飲食した後は水で口をすすぐこと。
また、くいしばりや噛み合わせによっては、歯の磨耗を助長してしまうことがあります。歯科医による定期的なチェックも重要です。
東京マール歯科日本橋院