「歯がしみる!虫歯か心配。」という方。
一度、鏡でしみる部分の歯の根元(歯と歯茎の間辺り)を見てみてください。
まるで楔を打ち込んだように欠けていませんか?
楔状欠損とは歯の根元辺りに見られる欠損や削れた状態を指します。この状態は、歯のエナメル質が削れて、楔(くさび)型の欠けた部分が現れることからその名前が付けられました。
楔状欠損は見た目の影響だけでなく、放置すると虫歯になったり歯の知覚過敏を引き起こしたりすることもあります。
【楔状欠損の症状】
楔状欠損は、歯のエナメル質が削れることで起こるため、主に以下のような症状が現れます。

- ●歯の表面に楔型の欠け
歯の歯茎に近い部分(歯の頸部)に、楔(くさび)型の欠けが見られます。この部分が少し削れたように見えることがあります。 - ●知覚過敏
欠損した部分がエナメル質の下の層にある象牙質にまで達すると、冷たいものや熱いもの、甘いもの、酸っぱいものを摂取した際に歯がしみる、痛むことがあります。これが「知覚過敏」の症状です。 - ●歯の色の変化
欠損部位が進行すると、エナメル質の下の層の象牙質が透けて見え、黄色っぽく見えることがあります。
【楔状欠損の対処法】
楔状欠損の治療方法は、欠損の程度や症状に応じて異なります。以下に代表的な対処法を紹介します。
1. 知覚過敏用の歯磨き粉を使う
神経の過敏性を抑制する成分、歯の表面から神経に刺激を伝える細い管(象牙細管)をブロックする成分が含まれている歯磨き粉を使用することで知覚過敏の症状が和らぐことがあります。(当院ではLIONのシステマセンシティブをお勧めしています)

2. フッ素塗布
歯科医院でフッ素を塗布してもらうことで、歯の表面を強化し、知覚過敏の症状を軽減できます。フッ素は歯の再石灰化を促進し、エナメル質を強化する効果があります。
3. 歯科医院での治療
歯科医院で知覚過敏に特化した治療を受けることができます。例えば、歯の表面に薬剤を塗布したり、欠損が大きい場合には樹脂で修復する処置を行います。これにより、外部の刺激から歯の神経を保護することができます。
4. 歯磨き方法の見直し
強く磨きすぎると歯のエナメル質が削れて、楔状欠損・知覚過敏を引き起こす原因となることがあります。適切な圧で磨くことが大切です。
5. 酸性の食べ物や飲み物を避ける
酸性の食べ物や飲み物(例えば、柑橘類や炭酸飲料)の酸は歯のエナメル質を傷つけることがあります。知覚過敏の症状がある場合は、摂取後に口をすすぐことをおすすめします。
6. 歯の噛み合わせをチェックする
歯の噛み合わせに問題があると、過度に歯に圧力がかかり、知覚過敏を引き起こすことがあります。歯科医院でかみ合わせの調整を行ってもらうと改善する場合があります。
【予防方法】
楔状欠損を予防するためには、以下の点を意識することが大切です。
- ・強く歯を磨かないようにし、やわらかい歯ブラシを使う。
- ・食事後にすぐに歯磨きをせず、水でゆすいでから磨く(口腔内が酸性になりエナメル質が軟化しているため)。
- ・定期的に歯科医師のチェックを受け、早期に異常を発見してもらう。
楔状欠損は早期に対処することで進行を防げるため、気になる症状があれば早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
東京マール歯科日本橋院